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日常か非日常か

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BILLY JOEL in CONCERT at 東京ドーム part3 その②

TOKYO DOME - JANUARY 24, 2024 

1曲目 My Life マイ・ライフ

 1977年発表 アルバム「ストレンジャー」から。
ビリーがいるー。小さく見えてるだけだけど、そこにいる!こっち向いてる?あっち向いてる?顔面か後頭部か、スキンヘッドゆえ、どっちも肌色だからわからないけど良い!うんうん一曲目はこの曲やなぁとしみじみ。


2曲目 Movin’ Out (Anthony’s Song) ムーヴィン・アウト

 アルバム「ストレンジャー」から。ビリーの詩には物語がある。この曲は特に。一度聴いたら忘れらららら…れない曲。

ビリーが日本語で挨拶してくれた。
「ミナサン、コンバンハ。ヒサシブリデスネ。ドウモアリガトウ」
「サイゴマデ、タノシンデ、クダサイ」
今までこんな長く日本語で話してくれるのは聞いたことがなかったので嬉しい驚き。アルバムの発売年度などの紹介から曲が始まるので、聞き逃さずにどの曲か予想などしながら次を待つ。


3曲目 The Entertainer エンターティナー

 わーい!
1974年発表のアルバム「ストリートライフ・セレナーデ」から。
 another longhaired band で多分後頭部撫でているかもしれないから私もやっておいた。力強い歌声。このアルバムは「ストレンジャー」「ニューヨーク52番街」がヒットした後に購入した。ビリーのアルバムは全部集めると決めていた。このアルバムの中では「場末じみた場面 The Great Suburban Showdown」が好き。よくよく対訳を読むと「?」となるので、密かに歌詞の意味をビリー先生に訊ねたいと思っているが叶わないだろう。


4曲目 Honesty オネスティ

 1978年発表「ニューヨーク52番街」から。
日本で定番の曲。この曲を知る人は多く、誰もが良い曲だと言う。
もう何も頼らず脳内で再生出来るくらい聴いた。また聴けた。喜びも一塩というもの。


5曲目 Zanzibar ザンジバル

 アルバム「ニューヨーク52番街」から。
冒頭、ちょっと音が不協な「さくらさくら」。気を使わなくても良かったのに。
ありがとうビリー。桜が咲く季節にまた日本へおいでくださいと誰か伝えて。
私はいつまでも待ってると誰か伝えて〜。(ソニーの人なら誰の曲かすぐにわかる。)

カール・フィッシャーのトランペットがとてもカッコいい。JAZZなんだけどロックぽい。トランペットとピアノ。男臭い痺れる曲。ビリーのバンドはメンバーが変わっていて私は初めてのカールのトランペット。さすがショー。ステージが別世界。そこだけニューヨークのダウンタウン、ブルックリンの一画が見えるような気持ちに。


6曲目 Start Me Up-The Rolling Stones cover-

 ここでノリノリで歌うビリー。「僕はミック・ジャガーじゃないよ!」と言ったように聞こえたけど、どうかな?ロックだからもっと強めに訳した方がいいかもしれない。御年80才!ミック・ジャガーはあまりよくわからないけど。まだまだビリーは行ける!


7曲目 An Innocent Man イノセント・マン

 1983年発表のアルバム「イノセント・マン」から。
このアルバムからアナログ盤ではなく、CD盤に切り替えたことを覚えている。今から思えば両方買いだったな。曲調もまだキリキリのCDではなくアナログ盤の方が雰囲気が合っていた。「今宵はフォーエバー This Night」は最高傑作。ぜひ聴きたかった。
 ビリーは髪のことを言っていたように聞こえた。髪はヒューっと飛んでいきという感じで口笛を吹いた。昔と違って高音が出るかわからないと言ったそう。実際に過去のライブ映像でクリスタルちゃんが高音のパートを担っていたのを観た。声質に違和感がなかったので大丈夫と思っていたら、ビリーさん、高音バッチリ出ていた。やんや。やんや。


8曲目 The Lion Sleeps Tonight ライオンは寝ている

 トーケンズによるニューヴァージョンで1961年に全米第一位に輝いた曲で有名。ドゥーワップ、R&Bとくれば次はこの流れで行く曲は…

9曲目 The Longest Time ロンゲスト・タイム

 アルバム「イノセント・マン」から。
バンドメンバーもステージのビリーと並んで、アカペラで歌う。
この曲ももちろん好きだ。ミュージックビデオも、自分の中では上位に入る。


マーク・リヴェラはサックス・ソロ、メンバー最古参。
「ストレンジャー」 の口笛も担当。私にとっても一番馴染みのあるメンバー。
もうマーク大好き。いつまでも若々しい。マークのパートでは手が赤く腫れるほど拍手を送った。おそらく届いていないと思うけど、これは気持ちの爆発だから。
もう、やんや。やんや。


10曲目 Don't Ask Me Why ドント・アスク・ミー・ホワイ

 1980年発表 アルバム「グラス・ハウス」から。
この曲が聴けるなんて!意外に思った。そろそろ「夏、ハイランドフォールズにて Summer, Highland Falls」(1976年発表「ニューヨーク物語」に収録)が聴けるかもと思っていたけれど、この曲が聴けて嬉しかった。間奏のピアノとパーカッションが好き。


11曲目 VIENNA ウィーン

 アルバム「ストレンジャー」から。この曲は絶対に聴きたかった曲の一つ。
Slow down, you crazy child
なんだか頭に来ることがあると、ふいにこの歌詞が思い浮かんでしまう。落ち着こうって思い、この曲を実際に聴いてみる。まるでビリー先生が優しく諭してくれているような気持ちになる。アメリカの高校生の卒業式ではまだ歌われているのだろうか。聴けて良かった。


12曲目 Keeping the Faith キーピング・ザ・フェイス

 アルバム「イノセント・マン」から。
結構意外な選曲。このミュージックビデオもなかなか面白くて繰り返し観たものだ。
聴けて嬉しかった。


13曲目 ALLENTOWN アレンタウン

 1982年発表 アルバム「ナイロン・カーテン」から。
この曲はコンサートでは外されることがないように思う。固いものがぶつかる音がリズムを取る。実在する製鉄所の街が衰退していくことを嘆くような歌詞ながら曲調は明るい。1980年代の曲が今の日本の不況とどこかマッチしている。労働者の応援ソング。きっと良い目が来ると信じてアレンタウンで暮らしている。アレンタウンはサービス産業で立ち直ったそう。シッ ウッ ハッ

コンサートの中盤になり、すっかりご機嫌に酔いしれた。手でリズムを取っていたので手のひらが痺れていた。もっと体を動かしてリズムを取りたい、踊りたいのだが、
外野席は見たところ着席状態だった。立つと隣の人や後ろの人に迷惑だろうかと次第にモヤモヤし始めた。しかしステージからはこの席は見えていないと思われた。


14曲目 NEW YORK STATE OF MIND ニューヨークの想い

 アルバム「グラス・ハウス」から。
ステージの大きなスクリーンにはニューヨークの摩天楼が映し出された。
一度は憧れる街、ニューヨーク。曲全体が本当にカッコいい。文句なし。
うっとりする。スマホのライトがキラキラと瞬きムードを盛り上げる。スマートフォンも使い用でコンサートやライブの演出として優れているかもと感心もした。
素晴らしい。


15曲目 The Stranger ストレンジャー

 アルバム「ストレンジャー」から。
日本で大ヒットしながら本国ではそうでもないってそんなバカなと思うほど、「ストレンジャー」も馴染み深く愛聴する曲。口笛から始まるイントロからすべてがクール!

You may never understand how the stranger is inspired
But he isn’t always evil and he is not always wrong
Though you drown in good intentions
You will never quench the fire
You’ll give in to your desire when the stranger comes along
ここが特に好き。


16曲目 Say Goodbye to Hollywood さよならハリウッド

 アルバム「グラス・ハウス」から。
さよならハリウッドは、1981年発表のライブ音源を集めたアルバム「ソングズ・イン・ジ・アティック」で聴くのが最高だった。今、その最新ライブヴァージョンを聴いてるんだ、すごいよ…ぶるぶるっと来た。思わず涙ぐむ。この選曲は超絶最高!!!
ヘロヘロだったのに元気がみなぎって来た。


17曲目 Sometime a Fantasy 真夜中のラブコール

 アルバム「グラス・ハウス」から。
ここからは私もヒートアップ!イントロからハートがドキドキするし、ノリノリだし、♪プーパッパルーパッ!と一人で合いの手入れてしまうし、この曲が40年以上前とは思えないほど楽しい。気持ちはすでに中学生のあの頃へ。こんな今を予想できた?


18曲目 Only The Good Die Young 若死にするのは善人だけ

 アルバム「ストレンジャー」から。
ライブ映像では定番の曲。
Come out, come out, come out Virginia, don't let me wait
You Catholic girls start much too late
But sooner or later it comes down to fate I might as well be the one
ここ好き。カトリック教徒のヴァージニアを誘惑する曲として放送禁止になったという話。歌詞はいつもどこか明るくて、スカッとするメロディで長く愛聴している曲のひとつ。コンサートは最高潮。


19曲目 River of Dreams リヴァー・オブ・ドリームス

 1993年発表 アルバム「リヴァー・オブ・ドリームス」から。
この曲は当時よりもここ最近、興味を持って愛聴していたので嬉しいの一言。
コンサートで初めて聴いた。もちろん初めてとは思えないほど馴染んでいた。

20曲目 River Deep Mountain High リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ

 アイク&ティナ・ターナー による
 1964年発売 アルバム「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」から。
River つながりでだろうか。ティナ・ターナーは昨年2023年5月に逝去。ビリーとは、プロジェクトUSAフォー・アフリカのチャリティソング、「ウィアー・ザ・ワールド」で並んでレコーディングをしていた姿が思い出される。追悼の意味も込められたのだろうか。コンサートの時はこの曲のことは知らなくて、パーカッション、ヴォーカル担当のクリスタル・ タリエフェロがステージ中央に踊り出て来るのを見て、なんて可愛いんだろうと思って見惚れてしまった。衣装にもクリスタルが散りばめられているのだろうか。ライトを反射してキラキラ輝いて美しい瞬間。本当にステージの上は別世界だった。まるで夢のよう。


21曲目 Nessun dorma 誰も寝てはならぬ

 ジャコモ・プッチーニの歌劇「トゥーランドット」のアリア。
マイク・デルジュディスの詠唱。物語の舞台は中国の北京。トゥーランドット姫は中国人。改めて聞き直すと初めて聴いたのではなく、幾度となく何気なく聴いていた曲だった。マイクもスキンヘッド。良い声をしている。聴き入った。


22曲目 Scenes from an Italian Restaurant イタリアンレストランで

 アルバム「ストレンジャー」から。
A bottle of white, a bottle of red Perhaps a bottle of rose instead
We'll get a table near the street In our old familiar place You and I
face to face…

照明が歌詞にあるワインボトルに合わせて、白、赤に変わる。Brenda and Eddie、ブレンダとエディとは昔の友人だった元恋人同士だった二人が、My sweet romantic teenage nights と、
甘くほろ苦い10代の頃を思い出しながら差し向かいで懐かしんでる。イタリアンレストランで。ドラマティックな曲。マークのサックスも痺れる。やんや。やんや。
「夏、ハイランドフォールズにて」も聴きたかったけれど、7分を超える大作を聴かせてくれた。惜しみなく拍手を贈る。


 私の席からはよく見えなかったけれど、ビリーが、ふうっと大きく息を吐いたように聴こえた。ここまで怒涛の歌唱と演奏をこなすビリーも、疲れたかもと。
すると観客席がざわざわし始めた。ビリーがハーモニカでピアノマンのさわりを吹いた。
ついに来た。
ピアノ・マンでエンディング、暗転、そしてアンコールへか。
残り時間はあと少しなんだと思う。どうか終わらないで。もっと聴きたい。
このピアノ・マンは観客待望の曲。もう止められない。

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